卵子凍結とは
卵子凍結の為の技術
未受精卵子の凍結
最近、不妊治療の分野で注目されているのが「未受精卵子の凍結」です。アメリカやヨーロッパの生殖医療では、この凍結技術が確立されていると報告されています。
特に若い女性がIVF(体外受精)やICSI(顕微授精)を行う際、凍結した卵子を使うと、新鮮な卵子を使った場合と同じくらいの受精率や妊娠率が得られるということが分かっています。
出典:(ASRMより翻訳)https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(12)02247-9/fulltext つまり、卵子や胚を凍結保存する技術は、不妊症治療において有効な方法として認められています。この技術のおかげで、実現可能性や治療結果についても予測がしやすくなりました。
出典:(ESUREより翻訳)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7666361/
未受精卵子の凍結は、将来の妊娠を考える女性にとって、新しい選択肢となりうることでしょう。
ご注意
*以下の内容は当サイトで紹介する「卵子凍結が受けられるクリニック」の一つである加藤レディスクリニックにおける不妊治療の技術についての紹介となります。別の施設においては提供している技術が違う可能性がありますので、必要に応じてご確認ください。
不妊治療での凍結技術
不妊治療の分野で大きな進歩がありました。当院で開発された「ガラス化凍結法(クライオトップ法)」は、受精卵の生存率を飛躍的に向上させ、ほぼ全ての受精卵を安全に保存できるようになりました。
この技術は2005年に発表され、現在では世界中で採用されています。
採卵(採精)
受精から培養まで
不妊治療では、凍結保存した卵子を融解して、精子を使って受精させます。
この際、体外受精と顕微授精の2つの方法があります。体外受精は多くの精子を卵子に振りかけ、顕微授精は選んだ1個の精子を直接卵子に注入します。顕微授精は特に精子の量が少ない場合や他の要因に基づいて選ばれます。
顕微授精法(ICSI)
顕微授精では、良質な精子を選んで卵子に注入し、受精確率を高めます。ただし卵子が損傷するリスク(3%程度)があります。
胚盤胞培養(Blastocyst Culture)
受精後、胚盤胞に発育するまで5~7日間培養し、この段階まで至ると着床率が高まります。
アシステッドハッチング
この技術により、透明帯を取り除いて受精卵の着床を促進することも可能です。これらの技術は、特に卵管に問題がある方や以前の治療で妊娠に至らなかった方に有効です。
胚移植のプロセスと単一胚移植の重要性
体外で育てた胚を子宮に戻すことを「胚移植」といいます。
医師は、細い管(カテーテル)を使って、超音波画像を見ながら胚を子宮の適切な位置に移植します。これは約5~10分程度で行われます。子宮内膜に問題がある場合は、胚を凍結保存して最適な時期に移植します。当院では、膀胱を満たす必要がない経膣超音波を使用し、より明確な画像で胚移植を行います。
単一胚移植
さらに、単一胚移植という方法も採用しています。これは、一度の移植で1個の胚のみを子宮に戻すもので、多胎妊娠のリスクを減らすために2009年から日本産科婦人科学会が推奨しています。当院では、母体へのリスクを考慮して、すべての移植で単一胚移植を行っています。この方法は、母体にとっても、胚にとっても安全で効果的な選択とされています。
【この記事の監修 : 加藤レディスクリニック 院長 加藤 恵一】