高齢出産について
現代では、キャリアやライフスタイルの変化により、30代半ば以降での初めての出産を選ぶ女性が増えています。
この「高齢出産」とは、35歳以上で初めて出産することを指します。(日本産科婦人科学会)。
ただし、この年齢での出産には、母体と胎児の両方に特有のリスクが伴うことを知っておく必要があります。
高齢出産について
母体への影響
高齢出産のリスクとして、妊娠高血圧症候群(血圧の上昇やけいれんなど)、前置胎盤(胎盤が子宮の出口近くにある状態:右図参照)、2型糖尿病、肥満などが挙げられます。
初産の場合、産道が硬くなっていることもあり、難産になりやすく、帝王切開の可能性が高まります。
体力の回復も、若い時と比べると遅くなる傾向にあります
胎児への影響
母親が妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病になるリスクが高まると、胎児への栄養供給が阻害され、発育に影響を及ぼすことがあります。
胎児の染色体異常発生率も高まります。
出典:「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」
(厚生労働省)
卵子凍結のメリット
未受精卵子凍結は、特に胎児の染色体異常リスクを減らすことにつながります。*1 ただし、母体のリスクや流産のリスクを低減するわけではありません。*1:In favour of freezing 卵子凍結gs for non-medical reasons. Goold I, Savulescu J Bioethics. 2009 Jan; 23(1):47-58.
無事に生まれる率が下がる
卵巣や子宮の機能低下による流産(前期破水、切迫早産、常置胎盤早期剥離(右図参照)、体内死亡)のリスクが高まります。*2*2:https://www.jstage.jst.go.jp/article/kyorinmed/47/1/47_77/_pdf
【この記事の監修 : 加藤レディスクリニック 院長 加藤 恵一】